JR東日本の決算を確認&2020年度を予想!
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2019年度は第4四半期が赤字転落!!
- 4月28日に発表されたJR東日本の2019年度末決算を確認していきます。
- 2019年度第4四半期(Q4)におけるJR東日本の売上高は対前年で9%減収となり、結果的に464億円の営業損失、595億円の経常損失となりました。ただし、JR東日本では、毎年、第4四半期(Q4)に費用が膨らみ利益が落ち込む傾向があります。このため、Q4の減収は、Q1~Q3であれば黒字で乗り切れた程度のものです。
- 気になる2020年度の業績ですが、決算短信では業績予想非公表となっていましたので、自分で予想することにしました。まず、主な費目の特性を整理したうえで、業績を予想したいと思います。
- 「売上高」は、定期券収入や不動産賃料のように減りづらいものもありますが、定期券以外の運賃やホテルの宿泊費などは、コロナの影響で大きく減少すると考えられます。
- 「運輸業等営業費及び売上原価」は支出の大部分を占めており、鉄道設備や不動産の減価償却費もここに含まれています。電力のような変動費の割合は小さいはずで、これは「売上高」が減少してもほぼ変わらないと考えられます。
- 「販売費及び一般管理費」は人件費や事業所の維持費のことで、「運輸業等営業費及び売上原価」と同様、「売上高」が減少してもほぼ変わらないとかが得られます。
- 「営業外収益合計」はグッズの販売等が含まれ、コロナの影響で「売上高」と連動して減少すると考えられます。
- 「営業外費用合計」は主に社債や借入金の利子のことで、「売上高」が減少した際に、資金繰りのため社債や借入金が増加すると、「営業外費用合計」も増加すると考えられます。
2020年度の業績を予測
- Q1、Q2の売上が半減する。この程度の影響が最もありうるのではないかと考えています。このため、2019年度実績を基準に、対前年で以下の通り増減すると仮定して予測することとしました。
- 売上高 :Q1とQ2は50%減、Q3は25%減、Q4は同
- 営業外収益合計 :Q1とQ2は50%減、Q3は25%減、Q4は同
- 営業外費用合計 :Q1からQ4が10%、20%、30%、40%増
- 運輸業等営業費及び売上原価:全て同
- 販売費及び一般管理費 :全て同
- 予想結果は以下の通りであり、Q1とQ2の営業損失・経常損失はともに2千億円超、2020年度通年の営業損失・経常損失は約6千億円となりました。
JR東日本は2020年度の業績悪化に耐えられるのか?
- JR東日本にとって、債務超過に陥る可能性と、資金繰りに窮する可能性の2つが主なリスクだと考えています。
- まず債務超過の面について、2019年度末時点でJR東日本の純資産は3兆円を超えており、仮に2020年度に6千億円規模の当期純損失を計上しても、純資産の一部が毀損するだけであり、債務超過に陥ることはありません。
- 次に資金繰りの面について、JR東日本はJCR格付けでAAAを取得しており、他の企業と比べても、好条件(低い金利、長い借入期間)で社債発行や銀行借入を行うことができます。また、JR東日本の営業費用はnon-cash expenseが多く、2018年度、2019年度ともに約3,700億円の減価償却費を計上しています。このため、実際には経常損失の全てを資金調達する必要はなく、債務の借り換え分と、経常損失の一部を資金調達すれば良いという点も心強いと考えています。
- 今回の予想を念頭に、現在保有している300株をホールドしつつ、株価が落ちる局面があれば買い増しを検討したいです。