Googleが無料で提供しているサービスに、Google Trendというものがあります。どの検索キーワードがどの程度検索されているのかを人気度としてグラフで確認できる優れものです。Google Trendを使って米国株の人気度をチェックしました。
「米国株」「中国株」「日本株」
- この3キーワードの人気度を比較したグラフがこちらです。グラフは一番左が2004年、一番右が2019年現在に対応しています。
- 2019年現在、日本株(黄)と米国株(青)が頻繁に検索されており、中国株(赤)はほとんど検索されていないことが分かります。これは、リーマンショック前の期間とは対照的で、当時は日本株と中国株が頻繁に検索されていた一方、米国株はほとんど検索されていないという構図でした。
- リーマンショック前の中国株の検索頻度は現在の米国株の数倍の水準もありましたので、まさにバブルと呼ぶべきものだったと思います。現在の米国株ブームはかつての中国株ブームには及ばないものと考えていますが、そうであっても米国株ブームに乗った足の速い資金が株価を押し上げている点には注意が必要だと思います。
(番外編)「GAFA」と「BRICS」
- リーマンショック前は、新興国が投資のテーマとなっており、ブラジル・ロシア・インド・中国の4か国は頭文字をとってBRICSと呼ばれていました。新興国は高い経済成長を遂げ、新興国株は先進国株をアウトパフォームするというストーリーのもと、新興国株は割高な株価水準まで買われましたが、リーマンショックにより新興国株のインデックスは大暴落しました。新興国の経済成長はストーリー通りに続いていますが、個別銘柄に着目すると、経済成長とともに業績を伸ばすことができた銘柄の株価はリーマンショック前を超えていますが、業績の低迷が続いている銘柄はリーマンショック前の株価を更新することができていません。
- 現在、投資のテーマは新興国からITに移っており、IT大手のGoogle、Amazon、Facebook、Appleの4社はGAFAと呼ばれるようになりました。GAFAとBRICSの検索頻度を確認すると、投資テーマの移り変わりと同様、リーマンショック以降BRICSは検索頻度が減少しつつあり、ここ1年でGAFAは検索頻度が急上昇しています。ITは経済に深く浸透しており、IT産業の成長は今後も続くのでしょうが、すべてのIT銘柄について割高な株価が正当化されるだけの高い成長率が続くとは断言しづらいです。「EPS等の業績を伸ばすことができるのか」とにかくこの点に注目して投資判断をしていきたいです。