2017/09/09

HRTG (Heritage Insurance Holdings) を買い増し

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HRTGを買い増し

2016年に購入したHRTG(フロリダを中心に営業している損保会社)ですが、株価が下がっていたので、約9ドルで550株買い増ししました。

株価の低下は、先日、NBIC(ニューヨークなどで営業している損保会社)の買収計画を発表したことに加え、ハリケーン・イルマ(Irma)が接近していることが主因だと思います。確かにこれらにはリスクがあるものの、株価には十分織り込まれていると考えられるので、買い増しすることにしました。

以下の画像はフロリダに接近中のハリケーン・イルマです。米国の基準では、カテゴリー5という最も強いランクのハリケーンと位置付けられています。なお、米国のニュースではイルマというよりはアーマに近い発音でした。

(出所:http://www.noaa.gov/)



ハリケーン・イルマのリスク

以下は、HRTGが手配している再保険です。損害が再保険の範囲内で収まれば、HRTGが負担する損失はUSD 20Mに留まり、当期利益の減少で吸収できるレベルとなります。

(出所:http://investors.heritagepci.com/~/media/Files/H/Heritage-IR/reports-and-presentations/august-2017-investor-presentation.pdf

フロリダには、1992年にもカテゴリー5のハリケーンが直撃したことがあります。HRTGの計算では、仮にハリケーン・アンドリューが再来した場合の損失は、上記の再保険の3割ほど(30.9% of Coverage Exhausted)となっていますので、ハリケーン・イルマの損害も上記の再保険の範囲内に収まるのではと期待しています。

(出所:http://investors.heritagepci.com/~/media/Files/H/Heritage-IR/reports-and-presentations/august-2017-investor-presentation.pdf


NBIC買収のリスク【HRTGの想定】

HRTGは、ニューヨークなど北東部で展開している損保会社であるNBICを買収予定である旨、2017年6月末決算発表の際に発表しました。この買収により、HRTGではリスク分散やコスト削減などのメリットを見込んでいます。

HRTGの発表によれば、買収総額 USD 250 millionであり、その資金調達は、手元資金 USD 85 million、転換社債発行 USD 125 million、普通株発行 USD 40 millionにて賄う計画です。


NBIC買収のリスク【保守的なシナリオ】

HRTGの想定は、ハリケーン・イルマを織り込んでいません。ハリケーン・イルマの影響で資金調達計画が狂う可能性があるため、保守的なシナリオを考えてみたいと思います。

ハリケーン・イルマの保険金支払いで手元資金が不足し、かつ、信用低下により転換社債発行が困難になり、普通株発行のみで資金調達するシナリオを考えてみると、普通株の追加発行は約2800万株(= 調達総額USD250 million / 足元の株価 USD 9M)となります。

2017年6月末におけるHRTGの発行済み株式は約2800万株なので、この保守的なシナリオでは、普通株は約2倍に希薄化し、発行済み株式は約5600万株となります。

一方、HRTGでは、NBICと合併後の2018年の当期純利益 をUSD 70 millionと見込んでいます。保守的なシナリオのもとで、一株利益は約USD 1.25(= USD 70 million / 約5600万株)となりますが、現在の株価USD 9を考えると魅力的な水準だと思います。